春の風物詩

最近急に暖かくなってきた。この温度でアメリカでのあることを思い出した。

毎年このぐらいの気候になるとうちの裏の窓から見えるある光景を思い出す。

 

家の裏にはインドで生まれ育ったけど、今はスペイン人になったご近所さんが住んでいた。このご近所さんには決まった行動があり、うちでは一種の風物詩になっていた。これは初めて彼女を見た時の衝撃談だ。

 

気候が良くなると外に出て庭仕事をしたり、くつろいだりする。うちも例外ではなく、花壇の手入れをしたり、遊んだりした。裏の家の彼女もまたリラックスするために裏庭に出て、椅子に座って本を読む。ここまではいたって普通ののんびりした光景だ。が、そのいでたちは思わず二度見せずにはいられないものだった。

ある天気のいい日、家の中を歩いていてふと窓から外を見ると、そこにはご近所さんが椅子に座ってくつろいで本を読んでいる。しかし、何か見た目がおかしい。ん?何かが頭の上に乗っている!?よく見るとそれは大きめのタオル、バスタオルだ。彼女は頭にバスタオルを巻き、そのままの姿で外に出てくつろいでいたのだ!一回見たときは頭に何が乗っているのか皆目見当もつかなかった。まさか頭にバスタオルを乗せて出てくるとは誰に想像できるだろうか?小さめのタオルならまだわかる。だが、バスタオル…重くないのだろうか?

思わずその状況をそこにいた家族に話してみんなちらっと見てしまった。

 

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その日から彼女のその光景は、季節を伝えるものになったのでした。